シェムリアップ郊外の遺跡 密林に埋もれた廃墟「ベン・メリア」と、7段ピラミッド「コー・ケー」 ベンメリア&コーケー&プリアヴィヒア日帰りツアー(前編) / Cambodia
カンボジア観光1日目は、シェムリアップ郊外の遺跡を巡るオプショナルツアーに参加。1日で郊外と遠方の人気遺跡「ベン・メリア」「コー・ケー」「プリア・ヴィヒア」の3箇所を回ります。
私たちが参加したのは、ベルトラのこちらのツアー。70代の母がいるので、プライベートツアーを利用するか相当迷いましたが、その場合、かなり高額になってしまうので、11月の平日だし、そこまで参加者は多くないだろうと踏んで、混載ツアーにしました。
結果、当日の参加者は私たち含めて10名。1人参加が3組、2人参加が2組、3人参加が1組で、加えてガイドさん1名とドライバー1名の総勢12名が1台の大型バンに乗車してのツアーとなりました。車に乗っている時間がとても長いのですが、バンの乗り心地が特に悪いとか、悪路過ぎて酔うということも私はなかったのですが、その辺りは、個人差があるかもしれません。
母は高齢とは言え、普段から太極拳や農作業などでよく体を動かしており、体力はかなりある方。尚且つ健脚家なので、難なくツアーを楽しんでおりましたが、全ての高齢者の方がこのツアーに向いているか?と言われれば、そうではないと感じます。
長時間ドライブに加え、遺跡観光では、超蒸し暑い気候の中、高低差のあるところをたくさん歩くので、それなりに体力は必要でした。
ですので、体力に自信のない方や、幼児連れの方は、プライベートツアーを利用する方が無難な気もします。他の参加者への気遣い不要の分、より観光を楽しめると思います。
ベン・メリア遺跡 Beng Mealea
当日は、ホテルに朝6時半ピックアップ予定でしたが、参加者の1名が、待ち合わせ場所の行き違いがあったらしく、30分以上遅れての迎えとなりました。そのため、ベンメリアに到着したのも予定時刻を過ぎ、8時をまわっていたと思いますが、幸運にも、他の観光客とほぼ居合わすことなく見て回ることができました。
この日のガイドさんは、ベテランの通称ケロさん。親しみやすい人柄で日本語堪能、知識も豊富、加えて写真撮影も上手で頼りになります。余談ですが、シェムリアップのベテランガイドさんは、総じて優秀な人が多いと感じましたね〜。
ベンメリア遺跡は、アンコールワット建造前の11世紀末〜12世紀初頭に造られたとされ、規模は少し小さいけれど、アンコールワットとの類似点が多く「東のアンコール」と呼ばれているそうです。
この遺跡は現在も尚、修復されることなく放置状態のため、崩壊が進んでおり、観光できるエリアは限られているのですが、特に手を加えず、自然に任せるがままの姿が、逆に、魅力を放っているとも言えます。
さて、東門参道入口の欄干に立つナーガ(蛇神)の説明を受けながら、観光がスタート。
参道を進み、一番最初に目にしたのがこちらの遺跡。激しく倒壊しているさまは、この後、ずっと続きます。
そしてこちら↓は、この遺跡の横にそびえる巨木の前で、ケロさんが撮ってくれた1枚。
グループごとに、「はい次!はいっどうぞ〜」と言って、次々撮ってくれます。iphoneの撮影テクも手慣れたもんで素晴らしい!
撮影方法を教わり、ケロさんと同じように、ピントを固定してカメラをすう〜っと上に向けて動かすのですが、私がやってもどうも上手く撮れない。。。
それはさておき、観光再開。入口付近に戻り回廊に沿って、ジャングルの中を進みます。
ルート前半、十字回廊の手前にある、古代インド叙事詩「ラーマーヤナ」の一節が描かれたレリーフは、見所の一つ。
観光ルートには木で組まれた足場があって、進路はわかりやすくなっていますが、前述した通り、足を踏み入れられるエリアが限られているので、ガイドさんは必須でしょう。
鬱蒼と生い茂った木々の深緑の隙間から、ぼわんと光線が差し込み、そこに廃墟と化した遺跡が浮かび上がる。まるで異次元に来てしまった錯覚に陥りますね〜。
途中、半地下のような暗い通路(回廊?)を通り抜けると、その先には、ステージのような開けた空間が広がっていました。何のための場所だったか?ケロさんが説明してくれていたように思いますが、覚えておらず。。
1時間ほどかけて回廊をぐるっと周り、元の場所に戻ってきました。
深い森中に埋もれるように存在する廃墟遺跡ベンメリアは、朽ち果てたさまが神秘的な雰囲気を漂わせ、ちょっとした探検家気分を味わえました。
旅するときは大抵、晴天率の高い乾季を狙って計画しますが、ここは、しっとりと緑が濃い雨季の方が、より幻想的な雰囲気に浸れそうです。
コー・ケー遺跡 Koh Ker
ベンメリアから車で移動すること1時間程、次の目的地コーケー遺跡群に到着です。
アンコールワットより、更に200年も前に造られたコーケーは、約9km四方の土地に60前後の遺跡が点在しており、遺跡それぞれに見どころがあるようですが、今回のツアーで回ったのは、複雑に絡み付く木の根が印象的な「プラサット・プラム」と、コーケーを代表する景観の7段ピラミッドを有する「プラサット・トム」の2箇所でした。
プラサット・プラム Prasat Pram / コー・ケー
まずは、プラサットプラムから。
ベンメリアと雰囲気はだいぶ違いますが、ここでもまた、興味深い特異な光景を目にすることができます。
少し進むと、ひときわフォトジェニックな遺跡が目に飛び込んできました。
三つ揃えに並んだ遺跡、向かって右側の遺跡に這う木の根は圧巻の様相。もはや遺跡から養分を吸い取っているかのような、芸術的な根の絡みように、思わず、ひゃ〜美しい!お見事!と、ため息が漏れてしまいます。
西表島や東南アジアの国々で、川に沿って群生している根っこが目を引くマングローブ林を、これまでにも何度か目にしたことはありますが、周りに水気がないところで、こんな風に幾重にも分厚く、そして、網目のように細かく絡まった根が、地上に存在できるなんて驚きです。
縦横無尽に先へ先へと伸び巡らす木の根のありさまに、遥か遥か昔からの膨大な時の経過と、強靭な生命力を感じずにはいられませんでした。
アンコール3大遺跡のタ・プロームは、巨大なスポアン(ガジュマル)が絡みついた遺跡が目玉ですが、ここプラサットプラムも一見の価値ありますね。タプロームと比べこじんまりとしているものの、手付かずな自然が相乗効果となり、より希少な光景に出会えます。
観光する時期にもよるとは思いますが、私たちが訪れた午前の早い時間帯だと、他の観光客はほぼいなかったので、カメラ撮影も存分に楽しめました。
魔法のランプの正体は?
ところで、ベンメリアやコーケーのエリア内には、所々、このような↓アラジンの魔法のランプのような、可愛い物体が置かれているのですが、これ、何だと思いますか?
駐車場やお手洗いの傍に置かれていることが多いと補足すると、すぐ頭に浮かびますかね?
答えは、そう、ゴミ箱です。
写真だと大きさが伝わりにくいのですが、直径70〜80cm程あり、でーんとした存在感。素材は色味的に金属かな?と思ったのですが、なんとゴム!!廃タイヤを利用して作られているんだそうで、胴の部分は確かにタイヤそのもの。大きさからして、四駆などの大型車のタイヤかな?と推測しています。色がまた何とも言えないニュアンスカラーで素敵なんです。
この形状だと、ゴミ回収時がちょっと大変そうだけど、遺跡の景観に馴染む型と色が気に入って、思わずパシリと撮っていました。
プラサット・トム Prasat Thom / コー・ケー
プラサットプラムからまた車に乗り込み、移動することほんの数分で、プラサットトムに到着です。
旅の前、ピラミッド式寺院プランの写真を見て、ここは外せない!と直感した場所なので、ワクワク度が半端ない私。笑
案内板から歩くこと数分、角を曲がったその先にある門の向こう、木々の隙間からそれらしき建造物。おぉ〜っ!と胸が高鳴ります。
ジャンジャジャーン!!いざ、ご対面。笑
今では聞くことの無い古過ぎる前置きフレーズがぴったり?!な、眼前の寺院遺跡プランは、やはり圧倒的な存在感。ここは必見でしょう。緑の木々に囲まれた、平地にそびえ立つピラミッドはインパクトありまくり。photogenic過ぎて嬉しい♡
そして、しばしの撮影タイム後は、遊歩道に沿って右手に進み、遺跡の裏側に回ります。側面に簡易の階段が設置されており、そこから遺跡のてっぺんまで上れるようになっています。
下からパッと見上げたところ、頂上まで楽勝に上れそうな気がしましたが、そこは高さ35mもある七段ピラミッド。思ったよりもハードで体力使いましたね〜。母がスタスタ上っているのを見て、同行のメンバーさん達、感心していましたが。笑
ゼイゼイ言いながらてっぺんに到着。
頂上は狭くはないですが広くもない。あちこちに大きな石が積み上がっていたり窪んでいたり、柵で囲われてはいるものの、足元は良くないです。そして、障害物が写り込まない、景色の良い撮影ポイントは限られるので、人が多いと順番待ちになってしまいます。
それでも、てっぺんからの眺めはこの通り、頑張って上った甲斐ある素晴らしい眺望!
緑豊かで広大なカンボジアの大地が、360度、四方一面に広がっています。風がそよぎ、見渡す限り、木々と草原が織りなす緑の濃淡と空の青さだけ!それ以外、何も目に付かないからこそ、ひときわ心地良く感じるのでしょうね。
参加したオプショナルツアーのreviewを読んでいると、このコーケー遺跡が想像以上に良かったと言う声が多数載っていますが、ほんと、私もその通りだと思います。やはり、ピラミッド式寺院プランの独特な佇まいが、人々を強く魅了するんでしょうか。
個人的に、高いところとそこから眺める景色が大好きと言うこともありますが、見応え&photogenicスポットがたっぷりなコーケーは、後から写真で振り返って見ても満足度高く、必見の遺跡と言えるでしょう。
プラサット・トムでランチ
ピラミッド観光を1時間程で終え、その後は、プラサットトムの駐車場に隣接するレストランで昼食となりました。
ツアー参加者10名が3つのテーブルに分かれて、運ばれてくる大皿料理をシェアします。
飲み物のみ別料金でしたが、アルコール(ビア)を頼んだのは母と私だけでしたね。。。ビアもお水もスプライトなんかのジュース類も全部同料金(確か1or2ドル)なのだから、私的にはビア一択でしたが。笑
お椀型に丸く盛られたご飯は一人一皿、それとは別に、おかずとスープ用に取り皿が配られました。
カリフラワーやパプリカなどの野菜の炒めもの・丸く平たい卵焼き・牛肉の甘辛炒め・鶏とじゃがいものスープ。それに写真にはないですが、最後、デザートにメロンなどの果物盛り合わせが出たような記憶です。
どの料理も、素材の味を活かしたシンプルな味付けで、普通に美味しい。周りのメンバーを見ていると、口に合わないのか、あまり手をつけてない人もいましたが、私も母も美味しく頂きました。
卵料理だけは揚げ焼きのような状態で、油がすごくてイマイチ好みじゃなかったのですが、若い人には卵料理の方が受けてましたねー。牛肉も柔らか〜という感じではないですが、硬過ぎて食べれないということもなく全然許容範囲。カンボジア料理自体がそうなんだと思いますが、全体的にどれも優しいマイルドな味わいで、エスニック度は低めで食べやすかったです。
個人的には、パクチーどっさりだとか、もっと辛くて刺激的な、エスニックエスニックしている方が好きなんですけどね。
小1時間ほどレストランで休憩し、お手洗いは、少し離れた綺麗目なところへ案内してくれるとのことで、車に乗り込んで10〜20分程で到着。道の駅的なお手洗いを利用しました。日本の感覚の綺麗なトイレとはいきませんが、これまた許容範囲でしたね。
さて、ここから最終目的地のプリアヴィヒアを目指し、約1時間半のドライブ開始です。
ツアー後半、プリアヴィヒア遺跡の記事はこちら