暮らすように旅する自炊旅の食卓

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緑のワイン ヴィーニョ・ヴェルデとチーズを愉しむ リスボン・ポルトガル自炊旅行記1 ’19.5 / Lisbon, Portugal

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リスボンの海の玄関口、コメルシオ広場

2019年のGW、令和になってすぐに旅したポルトガル。
航空券を購入したのは出発9ヶ月前、まだ10連休と発表される前の2018年8月初頭です。
今回は1年半程かけて貯めたANAの5万マイルを8万スカイコインに替え、夫婦二人で総額29万円弱の航空券代(もちエコノミー)のうち、8万円分はスカイコインを使用したので、一人当たりのチケット代は実質10.5万円ほど。
私は、中〜長距離路線の場合、基本的に一人10万円をチケット購入の基準としているので、GW期間の日系エアラインでこの金額は悪くないと、ポルトガル行きを決定。勿論、ちゃんとANAに乗れればの話なんですが。。。

旅程 2019年5月(9日間)

往路:成田ーブリュッセル(ANA)

   ブリュッセルーリスボン(ブリュッセル航空)

宿泊:リスボン5泊(←今回はここの滞在記、前編)ーポルト2泊

都市間移動:Rede Expressos(高速バス)

復路 購入路線:ポルトーフランクフルト(ルフトハンザ航空)

        フランクフルトー羽田(ANA)

  →実際利用:ポルトーイスタンブールー成田(ターキッシュエアライン)

何と言ってもこの旅の一番の思い出といえば、帰路の飛行機が欠航になってしまったこと!ですね。

これまで50回近く渡航していて、単純計算でも150回以上飛行機に乗ってますが、欠航になったことは勿論、大幅遅延もロストバゲッジの災難も、覚えている限り、少なくとも結婚してからの20年間では経験がありません。
そんな私たちなので、帰国のため、ポルト空港に着いて案内掲示板を見たところ、自分たちのフライト(ルフトハンザ便)の横に “cancelled” と表示されていた時は、キャンセルってどう言うこと?と、数秒間、意味が理解できなかったくらいでした。汗 

この件はまた、ポルト滞在記のところでちょっと触れようと思いますが、現地のポルト空港で色々と検索してみた際、欠航も大幅遅延もよくあることのようなので、単に今まで運が良かったのか?、それとも、この程度の搭乗回数なら、確率的にも低いのかはよくわかりませんが、初めて経験してみて、当然ながら、テンション下がりまくりでしたね。。。
そうは言っても、帰路で且つ、予定していた日に無事に帰って来れたし、旅行全体にはさほど影響なかったので、まだましな方なんでしょう。

前置きが長くなり過ぎましたが、この欠航トラブル以外は本当に楽しかったポルトガル。
治安も良好で見どころも盛りだくさん!その上、食も安くて美味しく、宿泊費などその他の物価も、他のヨーロッパの国々と比べて割安。非常にコスパの良い国で大好きになりました。

往路はブリュッセルで乗り換え。搭乗した便がタンタンでした♡

 

リスボンの宿

DAY1

リスボン空港へは定刻通り、19時に到着。Aeroporto 駅で地下鉄チケットのViva Viagemカードを買い、地下鉄で予約してあるアパートメントへ向かいました。5月のリスボンはこの時間でもまだまだ明るくて嬉しい。

今回のアパートメントは Booking.comでとった”Santana Apartment by Sublime Houses
リスボン名物の傾斜の激しい坂の上にありますが、地下鉄 Rossio, Martim Moniz, Restauradores の3駅から徒歩5〜7分ほど、且つ、主要な観光地へも徒歩圏内の非常に便利なロケーション。部屋自体はコンパクトな1LDKですが、とても清潔&綺麗で、5泊滞在しましたが、快適に過ごせました。

キッチン周りは、設備・調理道具共に充実。その上、様々な調味料も備わっていて、自炊旅にはありがたかった

左上:LDKのキッチン、左下:LDKのソファなど。右:寝室

しかも到着日には、お部屋にwelcome 赤ワイン&パステル・デ・ナタが用意されており、かなり感激!この日は機内でずっと座りっぱなしだったので、さほどお腹も減っておらず、疲れて外出するのも億劫だったので、この赤ワイン&エッグタルトを頂いて、早めに就寝しました。

 

ナザレ&オビドス 日帰りバス旅

DAY2  

旅2日目はリスボンから北へ130kmの距離にある城壁に囲まれた小さな町オビドスと、更にその北に位置する絶景の漁師町ナザレへ、一人バス旅。日本でバスの時刻を調べたところ、週末はバスの本数が減っていたので、リスボン到着翌日の金曜日に、訪れる計画を立てていました。

オビドス&ナザレ行きのバスの詳細についてはこちら

途中、リスボンのバス停で知り合った一人女子旅中のNさんと会話が弾み、あっという間にオビドスに到着。一緒に回ってもらって、楽しいオビドス観光となりました。

オビドスの城壁の外観

オビドスの町は、青と黄の2色をアクセントに使った愛らしい街並み。こじんまりしていて、1時間もあれば、町をぐるっと見て回れます。

地球の歩き方に、城壁の上を散策できると載っていたので、城壁に上る道をかなり探したのですが、どの道も途中から通行不可になっていて、上ることが出来なくなっており残念でした。一時的な閉鎖なのか?それとも、上がれなくなってしまったのかは、不明です。

城壁内の高台からの眺め

城壁上からの景色は見れませんでしたが、それでも高台に上れば、心がウキウキするようなこの眺望!ヨーロッパの小さな田舎町って、素敵なところがたくさんあるんだな〜と思います。

オビドスで2時間ほど滞在し、ここでNさんとはお別れ。またバスを乗り継ぎ、次の目的地ナザレへ向かいます。

ナザレ到着後、お昼過ぎまで開いているという市場へ直行。到着したのが12時半頃だったので、既に終了していたお店もあり、買い物客もそんなにいませんでしたが、市場の雰囲気は味わえました。野菜&果物のブースが多いですが、魚介類やハムなどの加工肉、チーズやナッツ類などのスイーツ売り場もあります。

市場をぶらっと物色後は、漁民が住むペスカドーレス地区を抜けて、海岸へ出てひと休み。

カラフルな建物に洗濯物がたなびき、生活感溢れるペスカドーレス地区

ナザレの海岸は、広い砂浜の先の真っ青な大西洋と空を隔てる断崖絶壁が、これまで見たこともない光景で、かなりインパクトありました。

そして、この崖の上からの眺めと言ったら!絶景とはまさにこういう景色!!

個人的には今回のポルトガル旅行の中でも、3本の指に入るほど気に入ったナザレの町。
夏場はリゾートとしてかなり賑わうようですが、リスボンからバスで2時間と、1dayエクスカーションとしても最適だと思います。時間を割いてでも訪れる価値ありますよ。

ナザレ&オビドスの絶景を含むバストリップの詳細はこちら

 

リスボンでうちごはん

ナザレからまたバスでリスボンに戻り、Sete Rios 駅のスーパー、LIDLを少しうろっとしてから、一旦宿へ戻ったのが19時ごろ。別行動していた夫が買って来ていた食料をチェックし、もう少し買い足したかったので、徒歩10分程の距離にあるスーパー、ピンゴドーセへ向かいました。

5月のリスボンは20時前でもまだこの明るさ

訪れたのは地下鉄 Intendente 駅からほど近い Campo Santana 店。残念ながらこちらのお店は小規模で生鮮食品の品揃えがイマイチだったので、この後、ここのお店を利用することはありませんでしたが、お土産系に使えそうな食品類は、ロシオ駅近くの店舗より在庫&品数が多かったように思います。

ということで、この日の調達品はこんな風。
真ん中辺りのチョリソー・ブルーチーズ・プロシュート・牛乳と、この他アルコール類が夫の買い出しで、残りは私が買ったもの。

ど真ん中の大きな鶏手羽が、5本入って€0.99と格安だったので、手羽グリルにしようと購入し、翌日以降用に、部屋に備わっていた調味料のピリピリソース(ポルトガルのチリソース)を塗って、冷蔵庫に寝かせました(写真は塗った後のもの)。

バス旅でものすごく疲れていたので、リスボン初日の自炊ごはんは、ただ並べただけで終了。笑

旅初日は、まだ食材の購入が要領得ず、いつもこんな感じです。ハム・チーズ・パン・リーフ系のサラダにワインという組み合わせは、元々好きなのですが、ハズレがないというのも大きなポイントですね。

ポルトガルのビアといえば、SAGRES か SUPER BOCK の2大ブランドが売り場を占めており、どちらも飲んでみましたが、個人的にはスーパーボックの方が断然好みの味でした。
サグレスは甘さが強めで、ちょっと喉が乾きそう系の味だったのですが、スーパーボックは上品なピルスナーですごく美味しい!特に写真にも写っている200ml瓶がとってもキュートで、ちょっと重いですがお土産にしても喜ばれると思います。

ピンゴドーセのPB商品、箱入りイワシペースト(€1)は、味見用に購入してみました。
この日の食材が生ハムやブルーチーズなどの塩気の強いものが多かったので、食べた時はなんとなくぼんやりした味でイマイチに感じたのですが、日本に戻ってからバゲットに塗って食べてみると、日本の鰯缶とはまた違った洋風テイストで、鰯味が前面に出ていて(イワシペーストなので当たり前なんですが)なかなかイケる味だと思います。
1箱4個入りで、パッケージもそこそこ可愛いので、手軽なお土産としても悪くないかと。この他にツナのペーストもありましたよ。

 

ベレン観光

DAY3

この日は朝からベレン地区へ。事前の情報では長蛇の列という、ジェロニモス修道院とベレンの塔を、リスボンカードを駆使し、なんとか効率良く回ります。
ということで、まずはベレンの塔へ。運良く、ほぼ並ばずに入場できました。

ベレンの塔

ベレンの塔の屋上から見た、4月25日橋

その後は、発見のモニュメントの側を通って、ジェロニモス修道院へ。

世界遺産ジェロニモス修道院

必見!修道院の回廊と中庭

こちらもまた、リスボアカードのおかげで並ぶことなく、サクッと中に入れました。修道院の回廊と中庭は本当に美しいので、訪問必須スポットですね。

リスボンカードを利用した、ベレン地区の効率良い周り方はこちら

 

リベイラ市場

ジェロニモス修道院観光後、パステル・デ・ナタの超有名店、パスティス・デ・ベレンで、エッグタルトとポートワインで一休みし、リスボン市内に戻ってきたのは14時ごろ。市電の Cais do Sodre 駅で下車し、リニューアルして賑わっているというリベイラ市場へ立ち寄ってみました。

リベイラ市場

市場の売場は野菜&果物が中心ですが、肉や魚、花屋も

市場部門は14時ごろまでの営業ということで、私が訪れた時間は既にお客さんもまばらで、店仕舞いの様子だったので、購入には至りませんでしたが、フードコートの方は週末だったからか、昼過ぎの中途半端な時間帯にもかかわらず、ものすごい人で大盛況。曜日によるかもしれませんが、席取りが大変なので、一人での食事には向かないと思います。

空席を見つけるのが難しい程、賑わっているフードコート

ということで、チラッと中の様子だけ伺い、スーパーに寄ってから、一旦、宿に戻ることに。
Cais do Sodre 駅のピンゴドーセは小さいので激混み、その上、生鮮食品などもほぼなかったので、Baixa-Chiado 駅から東へ徒歩5分程の距離にある Chão do Loureiro 店まで歩き、この日の晩ごはん用に少しだけ買い物して、宿へ戻りました。

 

Café Beira Gare

別行動していた夫と15時ごろ宿で合流し、外で遅いランチを取るべく向かった先は、ロシオ広場に面した Café Beira Gare です。
外のテーブルに着き、まずは、ポルトガルの微発泡白ワイン、ヴィーニョ・ヴェルデで乾杯。ポルトガル語でヴィーニョ(vinho)はワイン、ヴェルデ(verde)が緑、通称、緑のワインと呼ばれているこのビーニョ・ベルデは、軽くて爽やか、そしてアルコール度数も低めなので、ぐびぐび飲めてしまいます。このヴィーニョ・ヴェルデがとても気に入った私は、滞在中、部屋やレストランで、好んで飲んでいました。
お店の方は、カジュアルなスタイルで人気のレストランとあって、変な時間帯でしたがそこそこ混んでいて、通りや広場を行き交う人々を眺めながら、異国の昼下がりを満喫。

干し鱈コロッケ(€1.90×2)・イワシ塩焼き(€10.20)・ヴィーニョ・ヴェルデ(ハーフ€7.40)

お食事で注文したのは、上記2品。バカリャウコロッケは、あったかくなかったのでまあまあでしたが、イワシの塩焼きは、1匹1匹が少し大きめで肉厚、焼きたてホワホワで塩加減も丁度いい。日本で食べるイワシの塩焼きと、一緒といえば一緒なんですが、なんか違う。多分、横にカラフルなサラダが盛り付けてあったりと、単に視覚的な相違なのだろうけど、ポルトガルスタイルの焼き魚、ヴィーニョ・ヴェルデにもよく合い、なかなか気に入りました。
こちらのレストラン、豚肉サンドイッチのビファーナが有名だそうですが、魚料理も手頃な値段で美味しく、サクッと飲んで食べるには、ぴったりのお店だと思います。

本場ヨーロッパでサッカー観戦?!

軽めの食事を終え、地下鉄に乗って次に向かった先は、サッカースタジアムのルス・スタジアム。
ちょうどこの日、ポルトガル国内リーグの最終戦だか決戦?が開催されているようだと、前の晩に部屋でネット検索していた夫が気づき、もし、当日券が手に入ったらラッキー?!という軽い気持ちで出かけました。

ベンフィカファンで溢れているスタジアム前

この試合でリスボンのチーム、ベンフィカが勝てば優勝が確定という試合だったようで、流石に当日券はソールドアウトと言われ、スタジアム周辺のファンの盛り上がる様子など、僅かな雰囲気を味わっただけで呆気なく終了。無計画なので当然なんですが、本場ヨーロッパでのサッカー観戦は実現しませんでした。。。

エル・コンテ・イングレス

気を取り直して、この後、Sao Sebastiao 駅にあるデパート、エル・コンテ・イングレスに寄って、食料品コーナーを物色。ここは市内中心部のスーパーと違って、広い店内に圧巻の品揃えで、テンション上がりまくり!夫は15分ほどで飽きてましたが、私はすごく楽しくて、あと1〜2時間は難なく過ごせましたね〜。笑

エル・コンテ・イングレスなどで買ったお土産の記事はこちら

ただ、夕方に食事したばかりでお腹が減っていなかったのと、既にこの日の買い物を済ませてしまっていたので、生鮮食品を買うのをセーブせざるを得なかったのが残念でした。

急な坂の上にあるアパート前の通りは、遠くにテージョ川を見下ろせるフォトジェニックスポット。日暮れに撮ったポルトガルらしい景色がお気に入りの一枚

 

リスボンでうちごはん2 ケイジョ・アゼイタオン

デパートからまた地下鉄に乗り、宿へ戻ったのは21時ごろ。あちこち出歩いて疲れていたのと、さほどお腹も減っていなかったので、この日もまたまた並べただけの晩ごはん。

揚げ物はスーパーのお惣菜で、細長いのがクロケットといって、もちもちジャガイモのコロッケ。下は小エビのクリームコロッケ

この日のメインはポルトガルのチーズ、ケイジョ・アゼイタオン。ケイジョはポルトガル語でチーズの意味になります。
前日のオビドスへのバス旅で知り合ったNさんに「昨夜、部屋で食べたこのチーズ、すごく美味しかったですよ〜」と教えてもらい、早速スーパーでチェックし、この日購入したもの。表面の上部分を切り取って、中のトロッとしたところを、スプーンやパンで掬って頂きます。
見た目はカマンベールのようですが、味の方はお酒&チーズloverが好む、塩気の効いたちょっと癖のある濃厚な味わいで、確かに美味しい。山羊のチーズかな?と思って調べてみると、リスボン近郊のアゼイタオン地区で作られる羊のチーズで、朝鮮アザミのおしべで凝固させる製法なのだとか。

左:この日の購入食材。いちご・パン・じゃがいも・玉ねぎ・ケイジョ アゼイタオン(€6.49)・お惣菜の揚げ物。右:お持ち帰り用に買ったパスティス・デ・ベレンのパステル・デ・ナタ

ベネチアの自炊ごはんで食べたブッラータ(生クリームを包み込んだモッツアレラ)も、ものすごく美味しくて印象に残ってますが、このケイジョ・アゼイタオンも同様に、現地で試せて良かった1品となりました。

こんな風に、現地特有の食材を、市場やスーパーで気ままに探し出し、部屋でのんびり飲みながら食事を楽しめるのは、やはり自炊旅ならでは。観光であちこち歩き回った疲れもほどける瞬間です。
お惣菜など調理済みのものは、普段の生活ではあまり買うことはないのですが、旅先では大活用。キッチンがあるので、体の疲れ度合いなど、体調に合わせて食材を調達できるのも利点ですね。

翌日は、今回の旅、夫のメインイベント、リスボンマラソンです。

リスボン自炊旅行記(後編)はこちら

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